ALAblog

2013年

11月

20日

アートラボあいち閉館によせて

 アートラボあいちは、20118月に開館して以来、長者町において、あいちトリエンナーレ2013の情報発信拠点として、また愛知県内の芸術系大学の連携拠点や若手アーティストの作品展示場所として、多くの皆様にご利用いただいてきましたが、このたび、1117日(日)をもちまして、閉館致しました。

 

 これまでアートラボあいちでは、さまざまな展覧会やワークショップ等を開催してきました。

1階の壁面を使って実施してきた“ALA Project”では、20118月から20136月までの間に、この地域の若手アーティスト16名を紹介する展示を行ってきました。この壁面には、比較的大型の作品を掲げ、通りに面した窓の外からもよく見える場所であったため、通行中の方も中を覗いていかれる様子が多く見られました。それぞれの会期中には、アーティストトークも行われ、話は、制作や作品についてはもちろん、趣味など様々な話題に及び、作家本人の人柄が分かる貴重な機会となりました。

 
池さんのトークの様子
池さんのトークの様子
齊藤大二さん
齊藤大二さん

2012年から本格的に始まった大学連携プロジェクトでは、愛知県立芸術大学、名古屋芸術大学、名古屋造形大学が順番に企画した展覧会が、地下1階と2階、3階を使って行われました。トリエンナーレ開催前の20135月には、3つの大学が連携した“あいち卒展コレクティブ”展が開催されるなど、3大学間での交流も生まれました。

あいち卒展コレクティブ
あいち卒展コレクティブ

4階では、名古屋学芸大学の学芸ラボとして、企画展が行われました。映像作品の上映や在校生による卒展に向けての実験展など数多くの展覧会が開催されました。映像作品には、在校生や卒業生のほか、国外アーティストの作品の上映もあり、多彩な表現によるアニメーション作品が鑑賞できる機会となりました。また、卒業制作展の前に、学芸ラボでプレ卒展を開催し、インスタレーションを学ぶ学生のみなさんが、展示室での作品の配置などを試みる実験展が行われました。

インスタレーションゼミ制作展
インスタレーションゼミ制作展

アートラボあいちでは展示だけでなく、ワークショップやまちの方をお招きしたトークなども開催してきました。あいちトリエンナーレ実行委員会と長者町アートアニュアル、NPO法人まちの縁側育くみ隊が連携して聞き手となり、長者町の方をゲストにお招きして、まちの歴史やゲストご自身の人となりをお伺いする「アートサロン」は、これまでに13回開催しました。ここでの話がもとになって生まれたあいちトリエンナーレ2013作品もありました。

升半さん
升半さん
吉田会長
吉田会長

アートラボあいちは、情報発信拠点としての役割も担ってきました。「長者町だいたいアートmap」を設置したり、展覧会関係のチラシやDMを配架したりと愛知県内外のアート情報を発信してきました。また、トリエンナーレの準備段階からの様子が分かる「みえるトリエンナーレ」は、参加アーティストの作品制作過程の様子を写真で紹介し、トリエンナーレ会期中も賑わうコーナーとなりました。


これまで、アートラボあいちが、展覧会を鑑賞するだけでなく、トリエンナーレの情報も含めた何か面白そうな情報が得られる、ワークショップにも参加できる、長者町のことを知り、そして誰かと繋がれる、そんな場所として、皆様に、親しんで頂ける場であったのならば、幸いです。

あいちトリエンナーレ20102013とを繋ぎ、そして、トリエンナーレの情報を発信する場として開館したアートラボあいちですが、これまで多くの関わりを経て、たくさんの繋がりを持てたことを、スタッフとして、とても嬉しく思います。アーティストを始め、まちの皆様、多くの来場者の皆様に支えられ、運営出来ましたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

(RK)

2013年

10月

08日

あいちトリエンナーレ2013 閉幕まであと19日!

8月10日からあいちトリエンナーレ2013が開幕し、79日間の会期ももう残すところあと僅かとなってきました。

ようやく暑い夏が過ぎ秋のさわやかな空気のなか、長者町会場にも連日ますます多くの人が訪れて、まちなかに展開された現代美術を楽しんでいます。

 

アートラボあいちも会場の1つとして、地下1階と1階でトリエンナーレの参加作家の作品を展示しています。

地下1階では、西岳宏貴さんの作品「うねりあう思考と永久行為」をご覧いただけます。空間全体を使ったインスタレーション作品で、黒い床と壁に投影された映像と音によって、薄暗い中で空間がうごめいているような感覚にさせられます。

 

1階出入口付近では、他の会場を回ってこられた方にはもうおなじみとなっているでしょう、ブーンスィ・タントロンシンさんのアニメーション作品「スーパーバーバラ世界を救う」が上映され、「アーー」というスーパーバーバラの声が響き渡っています。世界で頻発する決して解決されることのない問題を扱ったこの作品は、各会場で章を変えて上映されています。納屋橋会場でエンドロールを含めた全ての章をご覧いただけます。

 

同じく1階にあるカウンターでは、ベルリンを拠点に都市を舞台としたゲームを作っているグループ、インヴィジブル・プレイグラウンドの作品「ささいな出来事の美術館」を体験するためのステーションが設けられています。週末はMP3プレーヤーを貸し出してゲームを体験いただける他、平日でもお手持ちのスマートフォンで体験いただけます。

ステーションは各会場に設けられており、それぞれの場所で体験できるゲームが違います。長者町会場では、「長者町の戦い」「陣取りゲーム」「コンビニ・カラオケ」、そしてどの会場でもできる「亀ヴーシュ」を体験いただけます。

 

またその隣りに続くインフォメーションカウンターでは、チケット販売やあいちトリエンナーレに関する各種案内を受けることができます。公式ガイドもご購入いただけますので、是非チェックしてみてください!

 

2階・3階では、トリエンナーレ関連企画の大学連携プロジェクト、4階では名古屋学芸大学の企画展示をトリエンナーレ会期中も開催しています。

 

運がよければ、八木兵8号館4階で展示している菅沼朋香さん本人に出会うことができたり、土日月には企画コンペの作品でもある「長者町くん」の出勤に遭遇できるかもしれません。

道に迷ったりまち歩きに疲れたら、是非アートラボあいちにいらしてみてくださいね。

トリエンナーレ期間中は無休で、毎日11:00〜19:00まで(金曜は20:00まで)開館しています。

(CW)

2013年

7月

14日

2階展示「星・侵略 インスタレーション」が始まりました

 7月14日(日)から、2階にて名古屋造形大学による展示「星・侵略インスタレーション」が始まりました。今回の展示は、学内公募で選定された、コンテンポラリーアートコースの1年次生4名による企画となっています。


 極小さなビーズからゴムボール、大きなビニール風船など、さまざまな球体が並べられた展示室は、一見するとまるで星が散りばめられた宇宙のように感じられます。しかし、その星々は決められた間隔で並べられることで「統率」され、混沌とした宇宙とは異なる「侵略された美」を空間に表現しています。

 星と星の間を行き来するうち、自分が星々が並ぶ中でどのような存在になっているのか、どこにいるのか考えさせられるような気持ちになります。

 展覧会は7月28日(日)までです。ぜひご覧ください。

(CW)

2013年

7月

14日

ALA Project

例年よりも早く梅雨が明け、強い日差しが照りつける季節になってきました。アートラボあいちにとって、3回目の夏を迎えます。

今回は、2011年にアートラボあいちがオープンしてから継続して実施しているプロジェクトの一つ、“ALA Prpject”について紹介したいと思います。

 

ALA Projectは、この地域の若手作家、特に絵画の作家を紹介をしていく企画として実施してきました。

アートラボあいちの1階には、通りに面して大きなガラス窓と扉があり、1階の壁に絵画を展示することで、ラボの前を通る人たちへアピールできるのではないかと考え、比較的大きなサイズの絵画を展示するプロジェクトとなっていきました。これまで、1階のスペースにて展示したアーティストは16名います。

現在展示しているのは、愛知県立芸術大学出身の源馬菜穂さんです。76日(土)には、ご本人をお呼びしてアーティストトークを開催しました。その時の様子をご紹介します。


のびのびとしたスクロールによって描かれた風景の中にたたずむひとりの人物が描かれている作品が印象的な源馬さんの作品、その風景とモチーフは、どこから生まれているのでしょうか。

5年前ぐらいから描き続けているモチーフで、描かれる風景は特定の場所をモチーフとしているのではなく、どちらかといえば源馬さんの中でイメージした風景を描き起こしているそうです。丘のようなところが印象に残りますが、源馬さんのふるさとが長野県で比較的標高の高い場所にあることが起因しているのかもとお話されていました。

もともと油絵で制作をしていたようですが、最近はエッグテンペラの技法を油彩と併用して制作しているそうです。(エッグテンペラとは、その名前にあるように卵を顔料と混ぜて描く手法)始めたきっかけはいろいろあるようですが、続けている理由のひとつが色彩が鮮やかであることだそうです。また、テンペラ画は絵を描き始めるまでの準備過程がいくつかあり手間がかかるのですが、その手順もこれまで培って来た絵画技法と異なり新鮮に感じているとのことでした。

 

その他、映像作品を自作したり、電子ピアノとパソコンにある編集機能を利用してオリジナルの音楽を作ったりしているそうです。自作映像では、源馬さんが撮影した写真を材料にスライドショーを作成しそこへ好きな音楽をつけるのだそうです。また音楽制作は、以前開催した展覧会会場で流すBGMを自作したのがきっかけということでした。音楽のイメージが絵画のイメージへと繋がったりもするとお話されていました。

 

源馬さんの展示は、721日(日)まで開催しています。ぜひ、ご覧下さい。

(RK)

2013年

7月

14日

バタフライハグ

620日から77日まで2階と3階では、名古屋芸術大学主催のButterfly Hug バタフライ ハグ の展示がありました。絵画や映像などの媒体を駆使した16名の作家による作品展です。展覧会は終了してしまいましたが、その様子をご紹介したいと思います。

2階の展示風景
2階の展示風景
3階の展示風景
3階の展示風景

 2階では、大崎正裕さん、岡川卓詩さん、D.D(今村哲+染谷亜里可)さん、村田仁さん、横山豊蘭さんの作品が展示されていました。

 横山豊蘭さんの[書道アート「南無地獄アート大菩薩」 Super Z! 2013]という作品は、3Dプリンターで流れこむ液体の一瞬が作品となっています。墨汁が立方体内に流れ落ちて、瞬間にして固まったような感じでした。

 D.Dさんの「半熟卵の構造」は201211月に岡崎のシビコにて巨大迷路を出現させた時の映像作品です。子供達は無邪気ですごく楽しそうに、大人たちは不思議な空間の意味を探りながら、さまよい抜けだしていく様子の映像と、その時のオブジェクトが展示してありました。

横山豊蘭
横山豊蘭
D.D
D.D

 3階では、 河原崎貴光さん、小柳裕さん、杉浦光さん、須田真弘さん、名和聡子さん、畠山瑞規さん、山田亘さん、横内賢太郎さん、吉本作次さん、和田典子さんの作品が展示されていました。

 杉浦さんの「All Blue Ⅱ」では、水滴の跡を避けるように細かなドットでカンバスを埋めていく作品で、外側に向かって深い青の細かなドットが広がり、作品全体の深みを出しています。

杉浦光
杉浦光

 また、622()には2012年に開館したウ・ラジオストック博物館が、出張企画として「バタフライ ハグ」のオープニングイベントでラジオ放送をしました。その時の様子が、http://uradiostockmuseum.jimdo.com/でご覧頂くことができます。

 

現在、2階では、名古屋造形大学主催の展覧会【星・侵略 インスタレーション】の展覧会が始まっています。

会場|2

会期|2013714日(日)~728日(日)

主催|名古屋造形大学

 

あいちトリエンナーレ2013開幕まで1ヶ月を切り、長者町での動きも活発になっています。

アートラボあいちにも、トリエンナーレの参加作家やボランティア、スタッフなどが出入りして、賑やかになってきています。

 

ぜひお越し下さい。

(AM)

2013年

7月

05日

トリエンナーレが近づきてきています!

いよいよあいちトリエンナーレ2013開幕まで約1ヶ月となりました!アートラボあいちがある長者町では、続々と作品が出来上がってきています。

 

ゴールデンウィーク前後には、台湾から「打開連合設計事務所」のみなさんが来日しボランティアのみなさんと共に伏見地下街を舞台に大掛かりな作品制作を実施しました。

アートラボあいちは、その活動拠点として機能し、荷物を預かったり、打合せに使ったり、休憩場所になったりしていました。


また、5月中旬から6月はポルトガルより「Rigo23」とアシスタントのオクタヴィオさんが来日。あいちトリエンナーレ2010でも会場だった玉屋ビルの壁面に壁画を描いています。梅雨に入ったにも関わらず、カンカン照りの日が続く中、汗だくになりながらも毎日笑顔で着々と制作を進めていました。


まだまだ他にも「マーロン・グリフィス」さんや「ナデガタ・インスタント・パーティー」のみなさんなどによる制作も始まっています。

梅雨に入りジメジメとした空気となってきていますが、トリエンナーレを楽しみにこの梅雨をまずは乗り切りたいと思います!

 

アートラボあいちでは、1階の掲示板の部分で【みえるトリエンナーレ】を展開中です。アーティストの制作状況や、アーティストやキュレーターのメッセージを写真で紹介しています。ぜひ、ご覧になってください。(RK)

2013年

4月

09日

アートラボあいちの新しい展覧会

4月になり、新たな出会いの季節となりました。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

アートラボあいちのブログですが、これまで公開していたページから、このページへと移行しました。今後とも、よろしくお願いします。(これまでの記事は、順にページを更新していく予定です。)

 

さて、いよいよ8月にはあいちトリエンナーレ2013が開幕するということで、現在、アートラボあいちの2階と3階では、あいちトリエンナーレ2013参加アーティストの中から4名の作品を先行して紹介しています。

 

3階では、ブーンスィ・タントロンシンさんと横山裕一さんの作品を展示しています。

ブーンスィさんは、《Superbarbara Saving the World(スーパーバーバラは世界を救う)》という映像作品を公開しています。スーパーバーバラが主人公の短編アニメーションをいくつか合せて、約12分間の作品となっています。世界で頻発する、決して解決されることのない問題を扱った手書きアニメーションで、あいちトリエンナーレ2013でも同シリーズの作品が展示される予定です。

横山裕一さんは、イースト・プレス社より刊行した単行本の中の画像をスライドにより展示しています。上映している《ニュー・土木》では、ガガガガと巨大な岩が出てきたり、スルスルと何かが伸びてきたりしながら、話が進んでいきます。トリエンナーレでは、どんな展示になるのか楽しみですね。

ブーンスィ・タントロンシン
ブーンスィ・タントロンシン
横山裕一
横山裕一

2階では、新美泰史さんと山下拓也さんの作品を展示しています。新美さんは型紙シリーズを4点、山下さんは絵画と立体合せて18点を公開しています。

新美さんの作品を見ると、同様のモチーフが繰り返し使われていることがわかります。線によって描かれる形は、1枚の画面の中で反転して描かれていたり、別の作品にサイズを変えて登場していたりします。一見すると版画のようにも見えますが、これは、型紙シリーズという名前の通り、小さなドローイングを拡大コピーして、型紙とし、そこにアクリス絵の具を塗りこんで制作しているのだそうです。

山下さんは、比較的小さなサイズの作品を、会場の様々な壁に点在させています。《絵》のシリーズは、小さな小さなモチーフが寄り集まって1つのイメージを形成しています。その《絵》のシリーズを描いている最中に出来たのが、《絵じゃないほうの絵》。これは、《絵》を描いている最中にペンの先を正すために、紙に拭っていたものだそうです。それを、展示作品として見出している感じが、おもしろいと思いました。

新美泰史
新美泰史
山下拓也
山下拓也

また、地下では写真家・怡土鉄夫さんの撮影したインスタレーションビューをスライドにより展示しています。90年代から愛知県のアートシーンを撮影しており、2010年のトリエンナーレやプレイベントとして行った「放課後のはらっぱ」展なども撮影しています。それらの写真を「あいちトリエンナーレ」「愛知のアートシーン(フィルム撮影)」「愛知のアートシーン(デジタル撮影)」の3つに分けて上映しています。

 

怡土鉄夫
怡土鉄夫
怡土鉄夫
怡土鉄夫

展覧会は、427日(土)までです。最終日は18時までなのでお気をつけください。みなさまのご来館をお待ちしています!!

RK

 

2013年

2月

20日

あいちトリエンナーレ2013  ARスタンプラリー

あいちトリエンナーレ2013開幕まで、あと半年を切りました。

参加作家が次々と発表され、トリエンナーレに向けての準備が進んでいく中、トリエンナーレPRイベントとしてARスタンプラリーが始まっています!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

←アートラボあいち内 ARスタンプラリーインフォメーション


ARとは、スマートフォンなどを利用して、現実風景に情報を重ねて表示する技術のこと。

少し難しいですが、まちなかなどに設置してあるマーカーにタブレット端末をかざしてみると、絵が浮き上がって立体に見えたり、トリエンナーレの最新情報がわかる映像が取得できたりします。

 

長者町地区にもマーカーが5ヶ所設置されており、前回のトリエンナーレ参加作家である西野達さんや石田達郎さんの作品画像が見られます。

また、アートラボあいちからは長者町を巡るツアーが随時行われており、実際にARを体験された方からは、浮き上がる画像を見て「うわぁー面白い!」と驚きの声があがっています。

 

マーカーは、前回のトリエンナーレの会場だった愛知芸術文化センター内(6ヶ所)、名古屋市美術館(2ヶ所)、長者町地区(5ヶ所)、納屋橋会場(2ヶ所)の他、スタッフがつけているマーカーが9個あり、ARスタンプラリーの冊子の表紙はスタートマーカーとなっています。

 

マーカーをかざすごとにスタンプをゲットすることができ、スタンプの数によって景品がもらえるそうです。

25個集めると、景品はなんと!あいちトリエンナーレ2013の入場券だそうです。

 

ARスタンプラリーは331日まで開催しています!

ARを楽しみながら、一緒に景品もゲットしてみてはいかがでしょうか。

 

*スマートフォンをお持ちでない方も、愛知芸術文化センターやアートラボあいちにてタブレット端末の貸出をしていますので、体験していただくことができます。

 

ARスタンプラリーの詳しい情報はこちら

http://aichitriennale.jp/aitori/ar/index.html

 

M.K

 

2013年

2月

08日

猪狩さんアーティストトーク

先日、ALA Project No.16で展示中の猪狩さんをお呼びしてアーティストトークを開催しました。トークは、あいちトリエンナーレ2013アシスタントキュレーターである吉田有里さんのナビゲートのもと、制作活動や現在展示中の作品についてなど様々なお話をしていただきました。

 

猪狩さんは、1971年生まれの三重県育ち。愛知県立芸術大学にて絵画を学び、大学院修了後作家活動を続けています。現在は、愛知県立芸術大学の講師をしながら、大学内にあるアトリエで制作をしています。


 


向かって左側の作品《本郷》は、猪狩さんが以前住んでいたところの風景を自身で撮影した写真をもとに描いているそうです。画面下部に描かれているものは、地下鉄の高架で、モチーフとした写真を忠実に描き出しているわけではないため、高架の周辺にあるビルは描かれていません。写真を参考にその構成要素を抜き取って描いています。

 

これまでの制作過程では、ドローイングを描きその中からタブローとするものを選んで描いていたそうです。また、写真をモチーフにすることへの抵抗感も以前はあったと言います。しかし、最近描いている作品は、《本郷》同様に猪狩さんが撮りためた写真をランダムに選び、モチーフの参考にして描いています。この様に考えるようになったのは、猪狩さん自身の中で作品との距離感が整理され、これまで絵画に対する考え方に変化が起こり、こだわっていたことに縛られることがなくなって普通に描けるようになってきたとのことでした。

この作品で特徴的な画面を左右に横切る地下鉄の高架の線は、かなり慎重に場所を決めているそうです。この作品に限らず、画面奥にくる直線を決める際には、ヒモを使ってキャンバスにマスキングテープで貼りながら、ちょっとずつ位置を変えピッタリくるところを探していっているそうです。なぜ、そのような実験を繰り返すのかというと、猪狩さんは作品を描いている途中の段階でその作品がイヤになってしまうことがあるそうで、イヤにならないために最初にしっかりと決めているとのことでした。

 

 

 

 

 

←最後に参加者のみなさんと猪狩さんとで集合写真を撮影しました。


その他にも、作品や制作のお話だけでなく、プライベートな話題までお聞きすることができました。たくさんの方にお集りいただき、ありがとうございました。猪狩さんのやさしい人柄もわかる素敵なアーティストトークでした。

猪狩さんの展示は、217日(日)までです。お見逃しなく!


(RK)

 

2013年

1月

31日

長者町アートアニュアル2012 展

123日(水)より、アートラボあいち3階にて「長者町アートアニュアル 2012展」が始まりました。

今展覧会では、あいちトリエンナーレ2010終了後にまちの若手によって設立された「長者町アートアニュアル」のこれまでの活動を写真パネルと映像とともに振り返ります。

 

長者町アートアニュアルは「まちとアートの出会い」を日常化していくために、あいちトリエンナーレ2010で制作され、まちに残った作品を引き継いだり、アーティストのレジデンスの運営やまちなかでのイベントを開催したりと様々な活動を行ってきました。

 


↑あいちトリエンナーレ2010参加作家Kosuge1-16の「かたい山車」も長者町に引き継がれた作品の一つ。

今展覧会ではそのからくりを間近で見ることができます。


 


↑歩行者天国イベント。シャッターペイントやオリジナル路上結婚式などを行った様子を振り返ります。

 

125日に行われたギャラリートークでは、長者町アートアニュアルの会長、副会長から長者町アートアニュアル設立までの経緯やこれまでの活動などが簡単に説明されました。

お話の中で、「前回のトリエンナーレはきっかけだったが、今年はこれまでの活動や経験を持って2013年のトリエンナーレを迎えることができる。これからもまちとアートの出会いの場を作っていきたい。」という力強い言葉をいただきました。

 


↑トークの様子

会場には、あいちトリエンナーレ2010プレイベント「長者町プロジェクト2009」から現在までのまちとアートの動きがまとめられた年表も展示してあり、長者町でのアートの動きを知ることのできる展覧会となっています。

展示は23日(日)までとなっています。お見逃しなく!!

 

M.K

 

2013年

1月

30日

考える本

アートラボあいちでは、毎月第24土曜日を基本に月2回ワークショップを実施しており、126日(土)には「考える本」というプログラムを開催しました。

今回のプログラムは、ワークショップの企画等を考えるユニットフジマツによる企画です。「ナゾの本」(20121013日(土)に実施)に続く本シリーズの第2段。アートラボあいちに訪れる人たちが考えていることをメモしてもらおう!という内容のプログラムです。

 

アートラボあいちに足を踏み入れた時、展示されている作品を眺めている時、スタッフと話をした後、など人それぞれ頭の中でいろんなことを考えていると思います。その考えをちょっと書き出してメモしていく。そのメモを本に残して、、、するとそのメモの本を見た人が、また何かを考えるきっかけになっていく。そんな考えの連鎖が参加した人の頭の中でも、メモの本を見た人の頭の中でも起こっていくようなプログラムとなりました。

 


↑考える本のためのワークシートを参加者の方に渡して、メモをとってきてもらいました。

 

メモの中には、今回のALA Projectの展示を観てこれまでのALA Projectの展示を含めてランキングを考えている人がいたり、展示を見ていく中で自分の研究について考察をしていたり、3階で開催している[長者町アートアニュアル2012]展を観て前回のあいちトリエンナーレからの時間の経過などを思い返してみたり、以前アートラボあいちで行われていたイベントを振り返ってみたりと様々な考えのメモを残してしていただきました。

 


この「考える本」は、アートラボあいちのアーカイブコーナーに置いてあります。ぜひ、手に取ってその考えを覗いてみてください。

 

次回のアートラボあいちのワークショップは、29日(土)「アートに告白ラボ」です。

アートやアーティスト、好きな作品などなど様々な事柄に対して普段言えないことを手紙にしてみようというプログラムとなっています。また、手紙や封筒を楽しく装飾することもできます。参加は無料。どなたでもご参加いただけますので、ぜひ、遊びにきてください。

ワークショップ「アートに告白ラボ」

開催日時|201329日(土)13時~17

 

RK

 

2013年

1月

18日

「NODE WORKSHOP SHOWCASE 2012」でのワークショップ

2013年を迎え、アートラボあいちも新しい展示が始まっています。112日~14日の連休には、いくつかのワークショップなどが開催され、賑わいました。

 

そのうち、19日からアートラボあいち3階で開催中の「NODE WORKSHOP SHOWCASE 2012」で行われたワークショップ等をご紹介します。

 

112日(土)には、ワークショップ「クラフトロボで照明をつくろう」が行われました。参加者それぞれが、厚紙や色紙、LED電球を使って照明を作りました。自分の好きな絵や模様を厚紙や色紙に描いたり切ったりして、三角柱の型紙をデコレーションしていきます。塔を描いたり、海に住む生き物を描いたり、個性豊かな作品が出来上がっていきました。その中に6色に光る電球を入れてみると...

 


こんなにもステキな照明ができました!

 

13日(日)には、プロジェクションマッピングのワークショップが行われました。特別講師は、映像アーティストの尾崎勝さんです!尾崎さんからは、ご自身が手がけられた東京コレクションでの演出や上海万博の日本館映像演出を始めとした、これまでの作品やプロジェクトについてのお話をしていただきました。その後、デモンストレーションが行われました。


 


壁に立方体の発泡スチロールを貼り付けて、そこにプロジェクターを使って、光を投影していきます。「光を使って、影を作り出すこともできる」という尾崎さんの言葉に、最初、"え?影を光で作り出す??"とよく意味が分かりませんでしたが、黒い光と白い光を上手く使い分けることで、自在に影を作り出していく様を見て、"そんなことができるのか!"と驚きました。こうしてみると、今、自分たちが目にしている影も光も、本当にそこに実在しているのかどうか...と不思議な感覚になりました。

昨年の暮れには、東京駅丸の内駅舎で行われていたプロジェクションマッピングが、激しい混雑が予想されることから中止することが決まってしまうなど話題に上がったプロジェクションマッピング。是非一度は見てみたいという人気は、これからますます高まっていくのではないでしょうか。 

 

NODE WORKSHOP SHOWCASE 2012」は、メディアアートを使った作品が展示されています。展示は120日(日)までとなっていますので、お見逃しなく!

 

プロジェクションマッピングとは?

投映対象の表層に映像という素材を貼り合わせる、という意味があり、それよって対象が持つパーツ・凹凸といった情報を利用しながら、映像による光や陰影を与えることで、対象が持つ様々な情報がある時はより立体的に、そしてあるときは全く別の表情を浮かび上がらせ、更には動かないはずのモノが本当に動いているかの様なリアルな立体感、空間感を表現することができる。

 

M.K

 

2012年

12月

16日

2012年最後の展覧会が始まりました!!

1212日(水)から、2012年を締めくくる2つの展覧会が始まりました。

 

3階では、愛知県立芸術大学学内公募展選抜作品「彩展」が始まりました。

この展覧会では、愛知県立芸術大学で年に1回行われる学内公募展「ぱるけ」に来場した2000人を超える人たちから選ばれた作品を展示しています。

 


作家は、油画専攻の人もいればデザインや日本画、彫刻専攻の人もいて、個性溢れる作品ばかりです。様々なジャンルの作品が一度に観られる展示となっています! 

 

そして2階では、「鉄の子どもたち」展‐青木野枝ワークショップで生まれたもの‐を開催しています。

112324日の2日間にわたって、納屋橋にある東陽倉庫テナントビルで、あいちトリエンナーレ2013の出品アーティストである青木野枝さんによるワークショップが行われ、そこで作られた作品の展示となっています。

ワークショップには、愛知県と岐阜県在住の小中高生11名が参加して、合計15点の力作が完成しました。


 


鉄板からバーナーを使って切り出し、それらを溶接して彫刻を作るとなると子どもたちに出来るのかな、と思っていましたが、タワーや車など、どれもしっかり作られていることに感心するばかりです。 

展示室ではワークショップの様子もご覧いただくことが出来ます。

 

「彩展」は1223日(日)まで、「鉄の子どもたち」は1224日(月・祝)までの展示となっています。

今年最後の展覧会となりますので、みなさまぜひお越しください!

 

来年2013年は19日から新しい展覧会が始まります。

詳しくはこちらからご確認ください。 

  

http://www.artlabaichi.net/スケジュール/

 

M.K


 

2012年

12月

14日

3階neWs展 前期終了

アートラボあいち3階で開催している名古屋芸術大学美術学部 洋画2コース&大学院同時代表現研究の作品展「neWs」の前期展示が、本日で終了しました。

 「neWs号外ワークショップ」や「ア"ーッ!ラジオin neWs」開催日には多くの人で賑わいました。作品に関して来館者の方から質問や感想をいただくこともあり、それぞれの作品がもつ魅力を感じていただけたのではないかと思います。

 

 




後期展示は、12月16日(金)から25日(日)まで。18日(日)には「ア"ーッ!ネットTV」が開催されます。

前期展示を見に来た方もそうでない方も、是非見に来てくださいね。

 

2012年

12月

13日

まちのしゃべり場「まちとアート 長者町を覚醒せよ」

125日(水)に、アートラボあいち1階にて錦二丁目・長者町界隈まちづくり「まちのしゃべり場」が開催されました。

しゃべり場は、まちに関わる人が集まり、まちづくりについて参加者同士が意見交換を行う会としてこれまでも定期的に開催されてきました。 

今回、久しぶり行われたしゃべり場のテーマは「まちとアート 長者町を覚醒せよ‐あいちトリエンナーレ2013 長者町地区での開催に向けて‐」です。

 

ゲストにあいちトリエンナーレ2013芸術監督である五十嵐太郎さんを迎え、来年のトリエンナーレについてのお話の後、NPO法人まちの縁側育くみ隊の延藤安弘先生、あいちトリエンナーレ2013アシスタントキュレーターの吉田有里さんによる鼎談が行われました。


 


しゃべり場の特徴は、ゲストだけでなく、会場にいる皆さんが参加して意見交換を行うという点です。会場の皆さんには付箋が配られ、そこにゲストに対する質問や感想を書き、その中から吉田さんが会場に紹介していきます。

 

「アートに関心のない人に対してのアプローチは?」という会場からの問い掛けに対して監督からは、「身近な人から面白い、見に行ったほうがいいよ。と言われれば、関心がない人も行ってみようかな、という気になる。面白いと思った人が、一人一人広報マンになってほしい。」というお話がありました。

 

また、まちの人からは「アートがまちの旦那衆を生み出している」いう意見が出ました。「展示場所を貸してほしい、こんな展示をしたいといったトリエンナーレ側からの無理難題がまちの包容力を高めていく。だからトラブルをいっぱい起こしてほしい」といった力強い声も聞こえました。

 

会の最後には、延藤先生による、しゃべり場恒例の本日のまとめが行われました。今回のしゃべり場で出てきた話題を8つのまとめで振り返ります。

 

めくるめくファイバーシティを創造と楽しさあるダイバーシティへ

ざわめく感動を発信し、語り合おう!

目に見えるオブジェアートとプロセスアートの両立実現へ

るんるんワクワク&リーズナブルな子ども参加を!

丁々発止のやりとりで駐車場を有機的隙間に

若者もだんなもアーティストも来街者も繋がりあおう

まち再生のドライビングアートのガイドブック化へ

地域連携、長者町から東北復興へ

 

これらの頭文字の音を取ると・・・

『めざめる長者町』となりました!

 


来年810日から開催するあいちトリエンナーレ2013に向けて、今後も、長者町地区は会場としてのみならず、まちの旦那衆を中心としたまちの動きからも目が離せなくなってきました! 

 

*あいちトリエンナーレ2013の情報はこちらからご覧いただけます。 http://aichitriennale.jp/ 

 

M.K


 

2012年

12月

05日

土と人のプロジェクト

アートラボあいち2階にて、名古屋芸術大学デザイン学科による「土と人のデザインプロジェクト‐ゼロから晩餐会をデザインする‐」が始まりました。

この展覧会は、graf代表の服部滋樹さんの特別授業として行われたプロジェクトの一部始終をドキュメントとして展示しています。

 


晩餐会には何が必要か。

そもそも晩餐会ってなんだろう。

参加している学生同士が話し合いを重ねながら、何もないところから一夜限りの晩餐会を作り上げていきます。

 

大学周辺をリサーチし、出会った人々や地域の資源を元にして、晩餐会に必要なものを準備していきます。

会場には、その流れが時系列に展示されており、出会った人々の写真や畑作業に使用した長靴、自分たちで作り上げた物など、様々なモノが展示されています。

 


 その中でも目についたのが、手作りの晩餐会への招待状です。

クローバーを素材にして作った招待状には、学生達のメッセージが手書きされており、そして晩餐会ではなんと!その招待状がランチョンマットへと姿を変える作りになっているのです!

しかも、招待状にはペットボトルのキャップ大の凸があり、箸置きとして使えるのだそうです。

 


 身近な素材を存分に使い、工夫やこだわりに溢れたものがたくさんありました。

みなさまもぜひ、晩餐会が出来上がっていくまでの流れを楽しんでください。

 

展覧会は129日(日)まで開催しています。

お見逃しなく!

 

M.K

 

2012年

12月

05日

ウ・ラジオストック博物館開館中

現在、アートラボあいち地下1階では「ウ・ラジオストック博物館」が開館中です。

 

この博物館は、一般的な博物館とは異なり芸術的・歴史的な価値が定まっているモノを展示公開しているのではなく、所有者だけが分かる個人的なエピソードやストーリーのあるモノをその"裏話"とともに収集し、一般公開している博物館です。

 


公式WEBサイト|http://uradiostockmuseum.jimdo.com/

 

これまで、会期中にコレクション収集ワークショップを開催し、多くのモノと裏話が収蔵されました。借りっぱなしの本、憧れの人の所有物、浮気の疑惑がある物...など様々な裏話とともに展示されています。

 


展覧会最終週の128日(土)と9日(日)には、裏話を一挙放送する「ウ・ラジオ」と「ウ・TV」が放送される予定です。裏話の公開だけでなく、色々な番組も組まれていますのでぜひ、ご視聴ください。

←番組表


RK


 

2012年

11月

14日

ゑびす祭りでワークショップ

1110日、11日に長者町にて「ゑびす祭り」が開催されました。

ゑびす祭りの関連企画として、アートラボあいちとあいちトリエンナーレ実行委員会との共催でワークショップを開催しました。

講師には、「長者町くん」の生みの親である斉と公平太さんと現在アートラボあいち1階で開催中の「ALAプロジェクト」出品作家である和田典子さんのお二人に来ていただきました。

ゑびす祭りのあいちトリエンナーレブースとアートラボあいちの2ヶ所を会場に、講師のお二人にはゑびす祭り会場を担当していただき、アートラボあいちでもそれに関連したワークショップを行いました。

 

ゑびす祭りブースでは、長者町くんの形をしたお守りを作り、そこにお願いごとを書いていくという斉と公平太さんの「金運アップ長者町くん」のプログラムと、モコモコの布でリースを作り、鈴やリボンでデコレーションしていく和田典子さんの「ケーキツリー」のプログラムを行いました。

どちらもたくさんの方に参加していただき、材料がなくなってしまう程の大盛況でした。

 

アートラボあいちでは、「リレー長者町くん」、「自分で長者町くん」と「リースツリー」のプラグラムを開催しました。

斉と公平太さんが描いている長者町くんの3コママンガに参加者が自分でセリフを入れていく「自分で長者町くん」では、8種類ある原稿の中から好きなもの選んでもらい、ストーリーを考えてもらいました。

「リレーで長者町くん」では、斉と公平太さんにマンガの始めの2コマを描いていただき、その後は参加者に1コマずつストーリーを続けて描いてもらいました。どちらも笑いあり、突っ込みどころありの楽しいマンガが出来ました。

「リースツリー」では段ボールで作られた大きな白いツリーに、参加者がリボンや紙粘土、ビーズなどで飾り付けをしていき、最後にはクリスマスツリーのような作品が出来上がりました。

 

ゑびす祭りの2日間では、たくさんの方にワークショップにご参加いただきました。

今回のワークショップの様子や、「リレー長者町くん」「自分で長者町くん」の作品をアートラボあいちのウェブサイトに掲載していますので、ぜひご覧ください。

http://www.artlabaichi.net/スケジュール/ワークショップ/えびす祭りでワークショップ/

 

 

アートラボあいちでは、毎月第24土曜日を基本にワークショップを開催しますので、そちらにもぜひご参加ください。

ワークショップのスケジュールはこちら 

http://www.artlabaichi.net/スケジュール/ワークショップ/

 

M.K


 

2012年

10月

25日

新しい展示が始まりました!

新しい展示が始まりました!

 

山からは紅葉の便りが聞こえ始め、いよいよ『芸術の秋』がやってまいりました。

アートラボあいちでも、新しい展示が始まりましたのでご紹介します。

 

地下1階では、愛知県立芸術大学の「BOWLS, Atlantic ‐ユノ‐」が始まっています。

大小様々な大きさの白い陶器が展示室に並べられており、これらの陶器は叩くと楽器のように音を奏でるように作られているためきちんと音階も整えられているそうです。

これらの陶器を使って、県芸大で声楽や打楽器を専攻している学生と今回の展覧会を企画した安田奈央さんによってパフォーマンスが行われました。

 


今後も毎週土曜日にパフォーマンスを行う予定ですので、展示と併せてご覧になってください。

(パフォーマンスの予定はhttp://www.artlabaichi.net/プログラム/ をご確認ください。)

 

 

3階では、愛知県立芸術大学の「音の万華鏡」が開催されています。

作曲を学ぶ中川丘さんと石川泰昭さんによる展覧会で、音楽と映像を使ったインスタレーション作品が展示されています。

 

 


鏡で光を反射させ室内をきらきらと輝かせている作品と、それとは対象的に海の静かな動きを白い石に投影している作品で、2人の作家の"万華鏡"のイメージがそれぞれ表現されています。

 

 

2階では、名古屋造形大学の吉岡俊直准教授による「吉岡俊直 展 リビング」が開催されています。

プロジェクターで、展示室の壁3面に京都府にある吉岡先生のご実家を写し出しています。

 


今まで、ラボではこれほど大規模に映像を投影したことがなく、その迫力に驚きましたが、少し見ているとなんだか家の中にいるようなほっとした気分になってきます。

展示室奥の小部屋でも作品を上映しています。

 

 

また、1階では「ALA Project No.14 和田典子」の展示が始まりました!

大きな作品2点が展示されており、その内の1点は2mを超える作品となっています!1026日(金)1830からはアーティストトークを行いますので、ぜひお越しください。

 

そして、111日(木)からは名古屋学芸大学の7展 引 >力 -いつもと違う、引く力-」が始まります。ただ今、展示に向けて準備中ですのでどうぞお楽しみに! 

 

みなさま、ぜひアートラボあいちへ足を運んでいただき、芸術の秋を味わってください!

 

 

◆「BOWLS, Atlantic ‐ユノ‐」、「音の万華鏡」、「吉岡俊直 展 リビング」は1111日(日)までの展示です。

◆「ALA Project No.14 和田典子」は1125日(日)までの展示です。

 

M.K


 

2012年

10月

12日

うつせみ展に行って来ました!

ただ今アートラボあいちで開催中の「うたかた」展を、みなさまご覧になられましたでしょうか。

この「うたかた」展では、小牧市の常懐荘で開催されている「うつせみ」展のサテライト展示として、8組の作家がアートラボあいち1階全体を使って小さな作品たちを展示しています。

 

あまりにささやかな展示なので、作品と気づかず通り過ぎてしまうこともあります。

実際、アートラボあいちの展示でもラボの壁の一部のように溶けこんでいて、作品を見つけるのに苦労している来館者の姿も見られます。

小牧の「うつせみ」展でも同じような展示を行っていると聞いて、おもしろそうだな、と思っていたのですが、ようやく先日「うつせみ」展を見に小牧まで行くことが出来ました!


 


木々に囲まれた古めかしい一軒家の常懐荘。なんとも言えない趣を醸し出しています。

玄関に置いてあるマップを見ると、作品は至る所に展示されている様子。

 

早速、作品を探しに常懐荘を巡ります。

マップによると、廊下に作品があるはず。歩きながら探してみると、これはすぐに発見できました!

次は洋室です。ここには3組の作家の展示があるとのこと。

2つは結構簡単に発見できました。もう1つは、どこだろう?と思いながら、じーっと辺りを見渡しながら、やっと発見!

 

そんな感じで次々と作品を見つけていきます。

このまま最後まで行くと思いきや、作家の森川さん曰く、レベル5の難関が庭に展示されているそうです。

 

色んな角度から庭を見て、立ったりしゃがんだりしてみましたが見つかりません。

森川さんからヒントをもらい、再度探してみて、やっと見つけることができました。

 

通常の展覧会のように作品が鑑賞者を待ち構えるのではなく、鑑賞者が作品を探すというこの展覧会。

探すという行為を通して、建物をじっくりと見る機会にもなり、また、軒下に座りながらゆっくりと庭を眺める良い機会にもなりました。

 

まるで宝探しのような感覚で作品を探していくこの2つの展覧会に是非、お越しください。

両展覧会は1014日(日)まで開催しています!

 

*「うつせみ」展の詳細はこちらをご覧ください。

http://www.utsusemiproject.com/about.html

*「うたかた」展の詳細はアートラボあいちのウェブをご覧ください。

http://www.artlabaichi.net/

 

M.K.

 

2012年

10月

11日

TRANSIT 2012 現代美術国際交流展PRE-EXHIBITION 名古屋⇔中国

現在、アートラボいち3では名古屋造形大学主催の企画展を開催中です。

TRANSITとは、古屋造形大学と国内外の芸術大学との国際交流展です。2001デュッルドルフ芸術アカデミー(ドイツ)切りに、ワイマール・バウハウ大学(イツ)、アカデミー・ミネルヴァ(オランダ)、コンコルディア大学(カナダ)、カーネギーメロン大学(アメリカ)、香港バプティスト大学(中国)、ボイシー州立大学(アメリカ)などとの交流を続けています。

 


2012年の展覧会では、香港バプティスト大学視覚芸術院と紅河学院美術学院の方々による作品を展示しています。作品のジャンルは、木版画やセラミックの彫刻作品、マンガなど多岐にわたっています。


 


↑使い古された軍手を素材にしているものや、文字を糸で縫う事で描いているもの、日常に起こるトラブルを絵本の形で紹介しているものなど、様々です。

 

929日(土)には、来年3月に香港で開催する交流展で作品を発表する参加希望学生による公開プレゼンテーションも行われました。そこでは、学生が作品のコンセプトや現地での展示方法等がプレゼンされ、先生方による講評が行われていました。

 



この
TRANSITには、アートラボあいちで展示をしていただいたアーティストの方々も過去に参加していました。

[ALA Project] では、設楽陸さんや竹田尚史さん、1128日(水)から始まるALA Project No.15の齋藤大二さんが参加していました。

その他、 [密度Ⅱ]では茶谷麻里さん、山下拓也さんらが、[You're Home]では石堀礼子さんや長谷部勇人さん、また今年度開催した[GALLERY GOHON 活動紹介]では、鈴木里奈さん、安原弘高さん、諏訪俊童さん、川見俊さんなど多くの方がTRANSITを経験していました。

過去のTRANSITに関する資料がアートラボあいちのアーカイブコーナーに蔵書されています。そちらもチェックしてみてください。

展覧会は、今週14日(日曜日)までです。お見逃しなく!!

 

RK


 

2012年

9月

20日

展覧会準備中~

4階「VIDEO PARTY 2012」
4階「VIDEO PARTY 2012」
3階「TRANSIT 2012」
3階「TRANSIT 2012」
地下1階、2階           「わたしのかみさま」
地下1階、2階           「わたしのかみさま」

現在、アートラボあいちでは、明日921日(金)よりスタートする展示に向けて、搬入作業をしています。

 

4階では、キュレーターの瀬島久美子さんと映像作家の由良泰人さん、伏木啓さんによって企画された映像作品の上映展「VIDEO PARTY 2012」の展示作業中です。

 

展示室内に、たくさんの壁が立っています。いつもの展示室とは違う雰囲気になっており、どのように映像が映し出されるのか、大変楽しみです。

 

3階では、名古屋造形大学主催の展覧会「TRANSIT 2012 現代美術国際交流展 PRE-EXHIBITION 名古屋⇔中国」の展示作業中です。これは、名古屋造形大学と交流のある中国の二つの大学、香港バプティスト大学視覚芸術院と紅河学院美術学院(雲南省)の学生作品を紹介する展示となっています。

作品が次々と搬入され、繊細な作品を梱包から外す慎重な作業が続きます。

 

2階と地下1階では、愛知県立芸術大学主催の展覧会「わたしのかみさま」に向けた準備中をしています。2階では、作品の展示、地下1階では映像上映がメインとなります。期間中は、毎週土曜日にアーティストトークも予定されています。

 

2階の展示室には、参加作家それぞれのかみさまを表現した作品が並んできています。展示の完成が待ち遠しいです。

これらすべての展覧会は、921日(金)よりはじまります。

 

現在各フロアでは、展覧会の開催に向けて展示作業中ですが、ラボは開館していて、1階では、ALA Project No.13 山内亮典 展を開催中です。普段に比べて慌ただしい空気が流れていますが、ぜひ、遊びにきてください。

 

RK

2012年

9月

19日

影と遊ぼう!!「影絵実験室」


98日(土)に、アートラボあいち1階にてワークショップ「影絵実験室」を開催しました。

 

影絵と言っても、色々な種類があります。 

紙を切り抜いて家や動物を作ったり、モノを並べて影を写し出したり、手を使って何かを表現したり。 

 

 

今回のワークショップでは、そんな様々な表現方法を使って、どのような影ができるのかを実験しました。 

 

ガムテープやコップを使って街を表現している人もいれば、厚紙とセロハンを使って色のついた家を作っている人もいました。 

 

参加者の中で、意外にも苦戦していたのが手影です。

昔からある遊びではありますが、これが難しい! 

人の顔や動物を手だけで表現するのですが、指が思うように動かなかったり、ツリそうになったり。。。 

 

ようやく影が出来上がった時にはみなさん疲れきっていました。

 

身近な存在の影ですが、こんなにも楽しい遊び道具になるとは驚きです!

みなさんもぜひ挑戦してみてください。

 

 

◆次回ワークショップ◆

922日(土)13001700

「いろんな方法で描いてみるの会~パテドローイング」

参加費無料・入退場自由・予約不要

どなたでもご参加いただけますので、ぜひ遊びに来てください。

 

 

M.K

2012年

8月

30日

新しい展示が始まりました!

GOHON
GOHON
ALA建築プロジェクト
ALA建築プロジェクト
学芸ラボ 道
学芸ラボ 道

1つ目は、地下1階で開催しているあいちの現代美術2GALLERY GOHON 活動紹介」です。

自主運営スペースGALLERY GOHONのメンバーとこれまで関わりをもった作家、計46名による作品を展示しています。

 

作家人数が多いこともあり、かなりのボリュームとなっています。

立体や平面、詩など、さまざまな作品があり見応え十分です!

 

そして2つ目は、23階で開催している「ALA建築プロジェクト 建築学生の挑戦 都市と空き地Vol.2」です。

 

長者町に実在する空き地をモデルにした空間活用の可能性を全国の大学に向けて公募したところ、23作品の応募がありました。

その中から、あいちトリエンナーレ2013芸術監督の五十嵐太郎さんによって優秀6作品と佳作4作品が選出され、優秀作品6作品の模型と佳作4作品のコンセプトシートを展示しています。

そこに集う人達によって作られていく建築の提案や、こんな建物があったらおもしろいだろうなといったユニークな提案もありました。97日までは、来場者による「オーディエンス賞」への投票を実施中ですので、お気に入りの作品へ1票を投じに来てください。

 

そして3つ目は、4階の学芸ラボで開催している「映像表現特論 制作展|道」です。

この展覧会は、名古屋学芸大学大学院メディア造形研究科修士課程7期生によるもので、「道」をテーマに5名の作家の作品を展示しています。

それぞれの作家の「道」に対するイメージが作品を通して伝わって来ます。

 


みなさま、ぜひお越しください!

 

◆「GALLERY GOHON 活動紹介」と「ALA建築プロジェクト 建築学生の挑戦 都市と空き地Vol.2」は916日(日)までの開催。

◆「映像表現特論 制作展|道」は831日(金)までの開催。(最終日は1500まで)

ALA Project 鈴木貴博さんの展示(1階)は99日(日)までの開催。

 

今回ご紹介した展覧会の参加作家等は、アートラボあいちのWEBページからご確認いただけます。

http://www.artlabaichi.net/ 

 

M.K

2012年

8月

15日

エルンスト展関連ワークショップ


8月4日()、1階ワークショップスペースにて、アートラボあいちのワークショップ 行くラボ見るラボ 作るラボ「こすってきって、キャラクターのつくりかた-フロッタージュ×コラージュ-」を開催しました。

 

愛知県美術館で開催中の展覧会「マックス・エルンスト-フィギュア×スケープ-」の関連企画として行われたこのワークショップ。

木材や布など様々な凸凹したものの上に紙を置き、鉛筆や色鉛筆でこすって模様をこすりだし、それらを好きな形に切って貼り合わせることで、オリジナルのキャラクターを作り出していきます。

参加者はそれぞれ、用意された木材などの素材の他、館内の壁や扉などから模様を発見してこすりだし(フロッタージュ)を楽しんでいました。

  

また、スタッフが事前にこすりだしをして用意しておいた紙と、その場で自分でこすりだしたものとを組み合わせて制作を楽しむ姿も見られました。

台紙に貼り合わせてキャラクターを作ったら、ラミネート加工をして、用意しておいたフロッタージュによって描かれた風景や長者町の風景写真に貼っていってもらいます。

 

 

ワークショップの終わり頃には、まるで町に沢山の不思議なキャラクターたちが出現しているような、面白い作品が出来上がりました。

このワークショップ「こすってきって、キャラクターのつくりかた-フロッタージュ×コラージュ-」は、大好評でしたので、1階にコーナーを設け、引き続き開催中です!


マックス・エルンストが用いた技法を、是非体験しに来てください。みんなが作ったキャラクターも見られます。

 

愛知県美術館の「マックス・エルンスト-フィギュア×スケープ-」は9月9日まで開催中。

フロッタージュ・コラージュ以外にも、様々な技法で作られた作品がズラリ。必見です!!

 

(CW)

2012年

8月

15日

ALA Project No.12 鈴木貴博アーティストトーク


 

12回目のALA Projectで紹介しているアーティストは、名古屋造形大学卒業生の鈴木貴博さんです。先日、鈴木さんをお呼びしてのアーティストトークが行われました。

 

 

鈴木さんの作品には、具体的なモチーフや場面、風景などといったモノはなく、色と形が重なりあって調和している世界が広がっています。制作については、日常的に描くドローイングからいいなと思った形を抜き出して描いていったり、直接キャンバスに向かって描いたりするそうです。日常で感じる違和感などが作品のベースになっているということでした。

今回は、6点の作品を展示していますが、それらは約2ヶ月の制作期間がかかっています。仕事をしながら制作することの大変さもあるようですが、やってみると意外とできたといった感触も得ているそうです。


 

制作や作品についてお話をお聞きする中、趣味の話題も出ました。鈴木さんはレコードが趣味ということで、ジャンルや時代を問わず、自分が好きな音楽を集め、聴いているそうです。

制作をしている時に聴いているのかと思いきや、音楽を聴く時は音楽しか聴かないらしく、「ながら」でいろいろなことはやらない(むしろできない)と言っていました。なので、よく見かける光景の「移動中に携帯音楽プレーヤーで音楽を聴く」こともないそうです。(機械音痴だとも言っていましたが)

 

鈴木さんの人柄までもが伝わってくる有意義なトークであったと思います。

 

今回の展示は、99日(日)までです。ぜひ、ご来館ください。

(RK)

2012年

8月

09日

『都市と空き地 』Vol.1 プラン解説会のご報告

8月4日(土)に、現在開催中の「ALA建築プロジェクト 建築学生の挑戦『都市と空き地 Vol.1」展への参加学生によるプラン解説会が行われました。

 

各大学のゼミを代表し、それぞれのプランを発表。続く、質疑応答では、「アートからみる建築」「建築からみるアート」といった話題も飛び出し、活発な意見が交わされました。


 


8月10日(金)1700からは、あいちトリエンナーレ2013芸術監督の五十嵐太郎氏による講評と優秀作品の表彰、来場者の皆さんに気に入った作品に投票していただき決定するオーディエンス賞の発表が行われます。

 

オーディエンス賞の投票期間は、89日(木)までです。投票がお済みでない方は、是非お気に入りを選んで一票投じてくださいね。

Vol.1の展示は819日(日)までとなっています。皆さん遊びに来てください。

(CW)

 

2012年

7月

18日

View展 アーティストトーク②

78日に名古屋芸術大学卒業生による「View」展のアーティストトークが行われました。

今回のトークでは、参加作家15名のうち、伊藤里佳さん、荒木由香里さん、田中桂さん、宇佐見まりえさん、坂柳光香さんに作品や制作についてお話をしていただきました。

 

伊藤里佳さんはモノプリントという方法で版画の作品を制作しています。

水を吸収しない板の上に直接絵の具で描き、それをプレス機に通してプリントするそうです。

版画と聞くと大量生産できそうですが、直接描いたものをプリントするので、毎回作品は1点ものなのだそうです。

また、プレス機を使って制作できる作品の大きさには限りがありますが、プリントしたものを何枚か合わせて1つの大きな作品も作っているそうです。今回の展示でも、4枚のプリントを合わせた作品が2点展示されています。


 


続いて荒木由香里さんは展示する空間に合った色を選び、その色と同じ色のモノを集め、それらを組み合わせて作品を制作します。

今回アートラボあいちで展示されている作品「Yellow」は、以前他の展覧会用に制作したものだそうですが、アートラボあいちの空間に合うということで今回の展示となりました。

この作品は、黄色の絵の具バケツや、プラスチックのチェーンやスティックなどが組み合わさって出来上がっています。

荒木さんは立体物が大好きだそうで、いつか作品に使いたいと気になったものを収集しているそうです。この「Yellow」以外にも、「Red」や「Black」という作品もあるそうです。

 

続いて田中桂さんは、女性が正面を向いている4枚の絵画を展示しています。4枚とも同じ女性が描かれていますが、泣いていたり、口をガムテープで塞がれていたりします。一見、暗いテーマの作品なのかと思いますが、生きていれば色々と辛いこと(泣きたくなることも、主張したくてもできないことも)があるけれど、前を向いていきたいということで正面を向いているそうです。

学生の頃は恋愛などをテーマにして制作していたそうですが、卒業後は社会と自分というテーマをよく考えるようになったとのことでした。

 

続いて宇佐見まりえさんは平面の作品を中心に制作しており、今回の作品は、大人になった自分が、子どもの頃に見ていた風景を、あの頃はきっとこういう風に見えていたであろうと考えて描いたそうです。

最近よく小さい時のことを思い出すのでこういった作品を制作し始めたとのことでしたが、子どもの頃の記憶や感覚が意外と自分の中に残っていると話していました。今回の展示では暗い色を使った作品が多いのですが、それは夜を表しているそうです。

宇佐見さんのお話を聞いていて、同じ風景でも年齢やその時の気分によって景色の色や雰囲気は変わってくることを思い出し、お話を聞く前とはまた違った角度から宇佐見さんの作品を見ることができました。

 

そして坂柳光香さんは開口一番、「私の絵は鳥のフンなんです。」と発言し、会場がざわめきました。話を聞いてみると、小学校の授業で鳥のフンを顕微鏡で見たことがあるそうです。その時に見たフンには、虫の足のかけらや消火できなかったものなどが所々確認できたのだそうです。

坂柳さんの作品は、一見何を描いているのかわかりません。ですが、よくよく見てみると女の子や花が描かれていることに気がつきます。フンで見た「何かのかけら」の要素が入っているのだなぁと納得できました。

今回の作品は、坂柳さんが岐阜にある鍾乳洞へ女友だちと遊びに行ったことが描かれているそうです。

 


写真左から、宇佐見さん、坂柳さん、荒木さん、田中桂さんです。

 

みなさんも、ぜひ実際に作品をご覧になってそれぞれの感想を持っていただけたらと思います。「View」展は722日(日)まで!お見逃しなく!

 

*愛知県美術館では荒木由香里さんの展覧会「何ものでもある何でもないもの」を開催中です。99日まで↓

http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/arch_exhibition.html

 

*長者町にあるSTANDEING PINE CUBEでは、犬飼真弓さんと横山奈美さんの2人展「ドローイング展」が開催中です。728日まで↓

http://jp.standingpine.jp/up/index.htm

 

*大阪のアートコートギャラリーで開催中の「Art Court Frontier 2012 #10」には、真坂亮平さんが参加しています。811日まで↓

http://www.artcourtgallery.com/acf_top.html

 

*東京で開催中のTOKYO WANDER WALL公募2011入賞作品「つくばエクスプレス秋葉原展示」では森部英司さんの作品が展示されています。831日まで↓

http://www.eijimoribe.com/cn31/pg214.html

 

M.K


 

2012年

7月

18日

アートラボあいちのキャラクター(非公式)が誕生しました!

714日(土)にワークショップ「勝手にラボキャラ作り」を開催しました。

今回のワークショップは、タイトル通り、アートラボあいちのキャラクターを作るという内容です。

キャラクターと一緒に、その性格や口癖、特徴なども考えてもらいました。

 


ALAという入れ墨がいくつも入っている魚「ラボンギョ」。縁起が良さそうです。(写真左)

そして黒髪アイドルの「ALA子ちゃん」。初アルバム「私の入道雲」も発売しているそうです。(写真右)

 


ART LABと書かれた服を来ているテンション高めの「あーと・らぼちゃん」。目がキラキラと輝いています。

 

その他にも、まだまだいます。

 

 


ラボでも展示をしてくれたある作家さんから生まれたキャラです。「長」という文字の髪の毛がポイントです。

 

 


すぐに変なポーズをとってしまうこのキャラ。ポーズとひげがキュートです。

 

 


いたずら好きの子トラ。なんともかわいい顔をしています。

 

 


獰猛だけれどグルメなキャラ。背中に「ART」の文字を背負っています。

 

 

ワークショップが終わる頃には、こんなにたくさんの個性溢れるキャラクターが誕生しました!!最後には、参加者のみなさんに描いてもらったキャラクターたちをラミネートして、うちわを作りました。


 


アートラボあいちでは、毎月第24土曜日を基本にワークショップを開催しています。

次回は728日(土)1300~1700です。長者町の写真を元に、まちをデザインする「長者町アートちょい足しデザイン」を行います。参加費無料、入退場自由、予約不要です。みなさまぜひご参加ください。  

8月は第14土曜日の開催となります。


(M.K)

 

2012年

7月

18日

View展アーティストトーク③

715日(日)に名古屋芸術大学卒業生による「View展」の3回目となるアーティストトークが開催されました。

蒸し暑い中、30名程の参加者の方に来ていただきました。ありがとうございました。

最後となる今回のトークでは、6名のアーティストによる作品、制作についてのお話を順にしていただきました。須田先生による進行で、それぞれの作家さんから色々な話をお聞きしました。

 

1人目は、今年の3月に卒業された上村静さんです。彼女の作品は、地下1階の展示室入って左側に展示している絵画2点です。

 


今回展示している2点の作品は、紙に鉛筆を使って描かれたものと、パネルに油絵具を使って描かれたものの2点ですが、どちらも同じモチーフを描いているそうです。何か現実にあるものや、何かの素材等をモチーフとしている訳ではなく、記憶や想いといった目にはみえないものをモチーフにしているとのことですが、何をモチーフにしているのでしょうか?私は、動物か何かかなと思って見ていましたが、みなさんはどうでしょうか。作品を見て、いろいろと想像してみてください。

 

2人目は、今年の2月から4月にフランスへレジデンスの旅に行っていた松尾侑香さん。彼女の作品も上村さんと同じく地下1階の展示室入って左奥の角に展示されています。

 


フランスでの生活が作品へ影響を及ぼしているという事は無いそうで、それよりも、滞在中にモロッコへ行かれた際に興味深い体験をされ、今回の作品にも少し反映されているそうです。全体を見ると、インパクトがある作品となっています。その作品を構成している一つに、赤い丸い"何か"があります。それらは、それぞれ異なる表情をしており、これらの表情は、松尾さんのその時の感情や思いが出ているとのことでした。どんな表情があるのか探してみるのも面白いです。

 

3人目は、2年前から北名古屋市にあるアーティストの共同スタジオ「i/0」にて制作活動を続けている、馬場智子さんによるトークです。3階へと上がる階段を上った正面の壁に展示しています。

 


彼女は、オリジナルの文字をモチーフに作品を制作しています。壁一面に、馬場さんによる文字が、ある一定のリズムをもって配置されています。この文字によるシリーズは、学部3年次から続けて取り組まれているそうで、もう5年〜6年になるそうです。今回の展示では、同じ言葉を繰り返し左から右へと流れるように配置しているそうです。どんな言葉が綴られているのでしょうか。想像してみるのも楽しいかもしれません。


4人目は森部英司さんです。ちょうど、馬場さんの作品が展示してある壁の向こう側に、作品を展示しています。

 


森部さんは、一貫して馬を対象に作品を制作し続けています。乗馬クラブでのお仕事をきっかけに、馬や馬具をモチーフとした作品制作やパフォーマンスを実施しているそうです。今回展示しているのは、《Genealogy》と《OGAKUZU》のシリーズです。《Genealogy》では、森部さんが取材した乗馬クラブや厩舎で出会った馬たちをモチーフに描かれています。人間によって作られていく(調教される)馬への興味から描き始めたとのことでした。それぞれに表情があり、馬のいろいろな部分が構成されていて、一つの馬の顔となっています。

 

5人目は、上村さんと同級生で卒業後は、ご実家の福井県へ戻って制作活動を続けている萬未来子さん。3階展示室の右奥にある壁の裏側に2点展示をしています。

 


作品は、パネルに貼られたキャンバスの上に、紙に描かれた作品が貼付けられています。萬さんは、絵画の厚み、層に関心があるということで、描かれる作品も何層かの構造になっています。まず紙にマスキングテープを貼って油絵具を塗り、引っ掻いてモチーフを描き、乾いてから、クレヨンで彩色して、マスキングテープを剥がし、出てきた紙の部分に鉛筆で描いているそうです。作品に近づいてじっくり観察すると、紙の部分やクレヨンの部分、引っ掻いた跡などが見えてきますので、ぜひ近づいて見てください。

 

6人目は、上村さんや萬さんと同様に今年の3月に卒業した田中里奈さんです。3階の展示室に入って右側に掛かっている絵画が田中さんの作品です。

 


田中さんが描く風景は、田中さんの記憶にある思い出の中の場所がモチーフとなっているそうです。ここは、こんな風に道路があったなとか、この辺りに木が生えていた、この道を通ってコンビニに行っていたなといった個人的な記憶が源泉となって描かれています。そのため、多角的な視点が画面の中で共存しています。記憶や思い出を描く中で、憶えているはずなのにハッキリ思い出せない部分、その曖昧な記憶の感覚が興味深いと話していました。田中さんの記憶に触れることができる作品なのだと思って、改めて鑑賞すると、その思い出を少し共有できる気がして面白いです。

 

627日(水)から始まった展示も、722日(日)が最終日となります。

皆さまのご来館をお待ちしています。


R.K